どんなバラ?
5cmから7cm径、シングル咲き、または、セミ・ダブル咲きの花形となります。花は房咲きになることはありません。
花色は鮮やかさの残る、深いピンク。
赤銅色の新芽は伸びきると、3葉または5葉の、くすみのある深緑の葉となります。茶褐色の小突起のようなトゲが密生する、細めではあるものの固めの枝ぶり、120cmから150cm高さの枝が密生するこじんまりとしたブッシュ樹形となります。鉢植えで楽しむことも可能です。
自生地・別名など
フランス東部から、イタリア、バルカン半島および黒海沿岸にかけて自生していると言われていますが、自生しているのが見つかったとしてもはたしてそれが、ほんとうの“野生種”なのか、それとも八重咲きの園芸種から“先祖返り”してシングル咲きとなったのか、判断できないというのが現状です。
園芸品種としてのバラの、もっとも古い由来の元となった野生種です。
紀元前にさかのぼることができるほど、ヨーロッパでは古くから育成されてきましたが、自然環境にあっても、しばしばセミ・ダブルの花形が出現すること、また、野生種よりも強い香りのものが出ることあることなどが、古代の人々の興味を誘い園芸品種として栽培されるようになったものと想像されます。18世紀、パリ郊外のプロバン/Provins地方において、おもに薬剤としての使用目的で広汎に栽培されたことから、ローズ・オブ・プロバン/Rose of Provinsと呼ばれたこともありましたが、ケンティフォリアがローズ・オブ・プロバンス/Rose of Provenceと呼ばれることと非常に紛らわしいため、現在ではあまり使われなくなりました。