どんなバラ?
飾りつけたような萼片に包まれていたつぼみは、開花すると中輪または大輪、カップ型、ロゼッタ咲きの花形となります。
花芯に緑芽ができることもあります。
淡いピンクの花色。花弁の外縁はほとんど白と言ってよいほど色褪せます。
ミルラ系の香りの典型とされる蟲惑的な香り。
経年するとこんもりとした大株へと生育します。庭をバラで飾るには最良の品種のひとつといっても過言ではないと思います。
イングリッシュ・ローズの交配親
ルイ・パルメンティエにより、1847年以前(彼の死去以前)に育種されました。
交配親は不明のままですが、ケンティフォリアや、ヨーロッパに広く自生している原種ロサ・アルベンシス(R. arvensis)の影響を感じ取っている研究者もいます。
デービット・オースチンはこのベル・イシスを交配親として最初のイングリッシュ・ローズ、コンスタンス・スプライ(Constans Spry)を育成し、その後、輝かしい名声と栄光を手に入れました。
品種名の由来~エジプト神話、イシスとホルス
イシスはエジプト神話に登場する女神です。よき妻、よき母として、また豊壌を象徴していることから、エジプトからギリシャ、ローマへ伝えられ信仰の対象となりました。
オシリスとセトは兄弟でしたが、セトは兄を殺害してしまいました。
オシリスの妹でかつ妻であったイシスはオシリスを魔術により復活させて冥界へ送るとともに、オシリスとの間の息子ホルスを育てあげました。成長したホルスは左目を失うという傷を負ったものの、激しい戦いの末に仇敵セトを打ち倒しました。
ホルスはイシスに抱かれているときは幼児の姿ですが、成長した後は鷹の頭を持つ神として描かれています。エジプトの王ファラオはホルスの化身とされ、争いの際に失われた左目はホルスの目として、邪悪なものを除く魔除けとされました。
イシスが幼子ホルスに乳を与える像はローマで広く信仰をあつめ、それが時代を下って、聖母マリアと幼子イエスの像の原型になったと言われています。