バラ、特にオールドローズが好きで名前の由来や育種の経緯などを調べています。
宿根草や葉色が美しい草花や灌木などをアレンジしたバラ咲く庭を愛でるのも長年の夢です。

アメリア(Amélia)

アメリア(Amelia)

どんなバラ?

7cmから9cm径、セミ・ダブル、オープン・カップ形の花が数輪単位の”連れ”咲きとなります。
花色は明るく淡いけれども華やかな印象のミディアム・ピンク、中心部にイエローの雄しべが見えコントラストが美しい品種です。
爽やかな強い香り。
縁の鋸目が強い、蒼みをおびた幅広のつや消し葉、細いけれど固めの枝ぶり、120cmから180cm高さの立ち性のシュラブとなります。

育種年、育種者など

1823年、フランスのヴィベール(Jean-Pierre Vibert)により育種・公表されました。交配親などの詳細は不明のままですが、この品種にもいくぶんかダマスクの血が入っているとみなされ、ダマスクにクラス分けされることもあるようです。
寒冷な気候、日照不足にもよく耐える強健種です。

そっくり品種セルシアーナとの違い

ダマスクにクラス分けされているセルシアーナ(Celsiana)と花色、花形がよく似ているため、間違われることもあります。市場に出回っている、もともとは別品種であったセルシアーナとアメリアは長い年月の間に混同されてしまい、現在では同じものなのかもしれません。イタリアのウド・クローチェ(Udo Croce)は、「似ているけれど…」と前置きのうえ、次のように述べています。

アメリアとセルシアーナは似ているように見えるが、アルバ交配種であるアメリアは、より(鋭い)トゲがあり、(セルシアナのように激しく変化するわけではない安定した)花色と(花の)大きさによって区別される。
アメリアのつぼみは典型的なダマスクの形をしておらず、より丸い。萼片はあまり伸びず、花序はあまり尖っていない。
花は非常に香りが良く、よく色を保ち、セルシアナよりも色濃く。(小葉の)先端にはアルバの特徴である強めに出る鋸歯がある。


2002年にデンマークのポールセン農場が公表したコーラル・カラーのシュラブに同名の品種がありますので、注意が必要です。