チョウジソウ(丁字草)/Amsonia elliptica:多年生草本
- 学名:キョウチクトウ科チョウジソウ属/Amsonia elliptica
- 別名:アムソニア、日本ブルースター(Japanese Bluestar)
- 花色:ブルー
- 草丈x株幅:50㎝x70㎝
- 花期:5月~6月
- 原産地:日本を含む東アジア
チョウジソウはかつて国内の河岸などの湿潤地にひろく自生していましたが、造成や護岸工事により減少し、多くの地域で絶滅し環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)に指定されています。
冬季は地上部は落葉し枯れこみますが、春、新芽を地表から伸ばし、5月になるとライト・ブルーの小花が群れ咲くまとまった株姿となります。
じょうぶなうえに、花後もオーレア気味の葉色が美しく、秋には黄葉するなどリーフプランツとしても有用です。

キョウチクトウ科の植物ですので、全草にアルカノイドを含む有毒植物です。注意が必要です。
品名、学名などの由来
香辛料として人気のクローブ(英”Clove”)はフトモモ科チョウジ属のチョウジ種(Syzygium aromaticum)の花蕾を乾燥させたものです。チョウジソウの結実は5,6㎝長さほどの長細いもので香辛料としてのチョウジ(クローブ)と似ています。
この類似からチョウジソウと呼ばれるようになったと思われます。


学名Amsoniaは、植民地時代にバージニア州ウィリアムズバーグに住んでいた英国の医師ジョン・アムソン博士 ( Dr. John Amson:1698-1765?) にちなんで命名されました。アムソン医師は熱心な植物愛好家としても知られていました。
チョウジソウの原種は18種ほど知られていますが、国内を含む東アジア原産が一種、地中海地方に一種、残りはすべて北米原産です。
原種名 | 原産地 | 草丈 | 流通名、特徴など |
---|---|---|---|
エリプティカ A. elliptica | 日本を含む東アジア | 草丈40~60㎝ | チョウジソウ(丁子草) |
フィブリクティー A. hubrichtii | アメリカ中西部 | 草丈60~90㎝ | 糸葉チョウジソウの名称で流通 |
オリエンタリス A. orientalis | トルコ、ギリシャ | 草丈40~60㎝ | 日本産のエリピティカ種に似ている |
タベルナエモンタナ A. tabernaemontana | アメリカ中北部 | 草丈40~60㎝ | 柳葉チョウジソウの名称で流通 |
トーメントーサ A. tomentosa | アメリカ南西部 | 草丈30~50㎝ | 葉面にビロード状の繊毛がある |




近年、園芸用にチョウジソウの名で販売されている種類に北アメリカ原産のホソバチョウジソウ(Amsonia angustifolia) やヤナギバチョウジソウ (Amsonia tabernaemontana)があります。両種とも在来種であるチョウジソウと酷似しており、在来種より葉が細長い葉に特徴があります。
チョウジソウ、ホソバチョウジソウ、ヤナギバチョウジソウとも宿根草専門店などで入手可能です。