Photo/Kenraiz [CC BY SA-4.0 via Wikimedia Commons]
アルミーダ(Armide)- alba/damask
どんなバラ?
7cmから9cm径、浅いカップ型、ロゼッタ咲き、花芯近くの花弁は芯を包み込むように内折れし、また、緑芽ができることが多い、美しい花形です。
淡いピンクに色づいていたつぼみは開花するとホワイトとなります。わずかにピンクは刷いたように残ることもあります。
軽く香ります。
葉先がとがり気味、明るい、くすみ気味の緑の小葉、細めの柔らかな枝ぶりの、120cmから180cm高さのシュラブとなります。
育種者、育種年など
ジャン₌ピエール・ヴィベール(Jean-Pierre Vibert)によるバラ・カタログ『Observations sur la Nomenclature et le Classement des Roses(バラの命名法と分類に関する考察)』に1818年育種のアルバとしてリストアップされています。
交配親は不明ですが、秋に返り咲きすることがあることから、交配にはチャイナ・ローズが関わっていたと見なされています。多くの研究家は、花色を重んじ、アルバへクラス分けしていますが、ダマスクとするべきと主張する研究者もいます。(R. Phillips & M. Rix, “The Best Rose”)
アルミーダとリナルド~品種名の由来
アルミーダは、イタリアの叙事詩人、トルクァート・タッソ(Torquato Tasso:1544-1595)が著した長編叙事詩『解放されたエルサレム』に登場する魔女です。
舞台はエルサレム奪還をめざして遠征し、エルサレム近郊に布陣した第一次十字軍の陣営。
アルミーダは見る者を蠱惑せずにはおかない美貌の女。イスラム教徒に迫害されていると偽り、十字軍の陣営へ逃げ込んできますが、実はイスラムの王から遣わされた魔女でした。騎士たちをその美貌で愛欲の虜とし、軍の統制を乱そうとはかります。誘惑に負けた騎士たちは陣を離れますが、アルミーダの魔術により動物の姿へ変えられてしまいます。
彼女はさらに、騎士リナールドを他の騎士たちと同じように誘惑します。しかし高潔なリナールドに接するうち、たくらみは変じ、彼に恋するようになります。彼女はリナールドを動物へは変えず、住処へ連れ戻り、魔術により愛欲の虜としてしまいます。

リナールドにかけられた魔術は、アルミーダの住処へ忍び込んだ騎士たちによって解かれます。恋人が去ってしまうことを嘆き悲しむアルミーダ。しかし、りナールドは彼女ををその場へ残し、仲間とともに十字軍の軍営へ戻ってゆきます。
アルミーダとリナールドの物語は、ヨーロッパでこよなく愛され、絵画の主題として多く描かれ、また、オペラの脚本として何度も取り上げられました。
- ルーリー 「アルミーダ」 (1686年初演)
ヘンデル 「リナールド」 (1771年初演)
サリエリ 「アルミーダ」 (1771年初演)
ハイドン 「アルミーダ」 (1774年初演)
グルック 「アルミーダ」 (1777年初演)
ロッシーニ 「アルミーダ」 (1817年初演)
ドヴォルザーク 「アルミーダ」 (1904年初演)
上記の作品の中では、ヘンデルの『リナールド』第2幕で唄われるアリア『ラッシャ・キオ・ピアンガ(Lascia ch’io pianga;”私を泣かせて下さい”)』の美しい旋律が有名です。
囚われの身となってしまったリナールドの恋人、アルミレーナは執拗に言い寄るイスラム王を拒絶し、リナルドへの思いのたけをうったえます。
私を泣かせて下さい Lascia ch'io pianga
むごい運命に苛まれています mia cruda sorte,
自由になりたいのかって? E che sospiri la libert?
そう、自由になりたいのです E che sospiri,


