バラ、特にオールドローズが好きで名前の由来や育種の経緯などを調べています。
宿根草や葉色が美しい草花や灌木などをアレンジしたバラ咲く庭を愛でるのも長年の夢です。

ボツァリス(Botzaris)

ボッツアリス(Botzaris)

どんなバラ?

玉のように丸いつぼみはひだ飾りのような萼片につつまれています。開花した花は7㎝から9㎝径、少しフラット気味なロゼッタ咲き。花芯に緑芽ができることが多い花形です。
花色は白、しかし、わずかにピンクが中心部にでることもあります。
強い香り。
たまご形のつや消し葉が美しい、120cmから150㎝高さの中型のシュラブとなります。

育種者について

1856年、フランス、ヴィベール農場を引き継いだフランソワ・A・ロベール(Français-André Robert)が育種・公表しました。
交配親は不明です。
花形、葉や枝ぶりの形状からダマスク種のひとつとされていますが、グラハム・トーマスやクルスマンなど著名な研究家は、白花であること、本来のダマスクの香りとは微妙に異なることなどから、交配にはアルバが関わったと考えていたようです。(“Graham Stuart Thomas Rose Book”, “The Complete Rose Book”)

品種名の由来

ギリシャは1820年代から占有するオスマン帝国から独立をめざし、1830年にそれを果たしました。
この美しいダマスク・ローズは、独立戦争に参戦し英雄となったマルコス・ボツァリス(Markos Botsaris:1790-1823)に捧げられたとも、あるいは独立を果たしたギリシャで王妃付きの侍女としてその美貌を謳われたカテリナ・ロザ・ボツァリス(Katerina “Rosa” Botsari)に捧げられたとも言われています。

Portrait/anonymous [Public Domain via Wikimedia Commons]
’Katerina “Rosa” Botsari ‘ Portrait/Joseph Karl Stieler  [Public Domain via Wikimedia Commons]

マルコス・ボツァリスは1822年から1823 年にかけて勃発した第一次ミソロンギ包囲戦の救援に重要な役割を果たし、ギリシャ革命政府から西ギリシャ将軍の称号を授与されましたが、同年、カルペニシの戦いで戦死しました。