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バラ、特にオールドローズが好きで名前の由来や育種の経緯などを調べています。
宿根草や葉色が美しい草花や灌木などをアレンジしたバラ咲く庭を愛でるのも長年の夢です。

エアインネルンク・アン・ブロド(Erinnerung an Brod)- Hybrid Perpetual(HP)

Erinnerung an Brod

エアインネルンク・アン・ブロド(Erinnerung an Brod)- Hybrid Perpetual

どんなバラ?

7cmから9cm径、60弁を超えるような、多弁、ダリアに似た小さな花弁が密集した丸弁咲きの花形となります。しばしば緑芽が花芯に生じます。
開花当初の花色はクリムゾン、熟成するに従い、次第にパープルの色合いが濃くなってゆきます。
軽く香ります。
幅広、とがり気味のくすんだ深いつや消し葉。細めで柔らかな枝ぶり、180cmから250cm高さとなります。シュラブとして登録されていますが、小さめのクライマーとして低いフェンスなどへ誘引するほうがよいように感じます。

育種者、育種年および品種名の由来など

1886年、ドイツの園芸誌『Wiener Illustrirte Garten-Zeitung;”ウィーン・ガーデン新聞”)に
「どんな土壌でも、また最も劣悪な場所でも、覆いなしに生育し、豊富かつ効果的に花を咲かせる…」
という解説つきで紹介されたのが文献上の初出のようです。

ハンガリーのルドルフ・ゲシュヴィント(Rudolf Geschwind)が育種・公表したことは後の多くの資料から明確です。彼が育種した品種の公表は1884年ころからですので、この品種はゲシュヴィント育種品種の初期のものだと思われます。
クリムゾン/パープルの乱れがちの花、深い葉色、固くふしくれだった枝ぶりなど、ゲシュヴィントによる育種品種の典型的な特徴を持っています。おそらく彼の最良の品種のひとつだと思います。

交配親は不明のままですが、解明が試みられています。ひとつの手がかりは、ゲシュヴィントが北米の原種ロサ・セティゲラ(R. setigera)を種親として耐寒性のある品種を数多く育種していることです。
シュヴィントが育種した品種について詳細な研究をつづけてきたオーストリアのE. ウンムート氏(Eric Unmuth)は、その観点から、

種親:ロサ・セティゲラ
花粉:藤色のハイブリッド・パーペチュアル(HP)、ジェニー・ド・シャトーブリアン(Génie de Châteaubriand)

という交配だったのではないかという説を提出しています。しかし、この説も確定的なものではありません。グラハム・S・トーマスは著作『Graham Stuart Thomas Rose Book』のなかで、セティゲラとHPの交配という説が一般的であるのを認めながらも、
「この品種は典型的なHPの性質を持ち、セティゲラの特性はどこにも見えないので、この交配説は疑わしい…」と述べています。

エアインネルンク・アン・ブロドとは”ブロドの思い出”という意味です。現在のセビリア、コスボ自治区にブロドという小都市があります。19世紀後半、バラ育種の方向を先進的に切り開いていたゲシュヴィントですが、育種家としては生涯アマチュアでした。生業である森林管理官として東欧各国を歴訪していましたので、公務としてブロッドを訪れたことがあるのかもしれません。

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