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バラ、特にオールドローズが好きで名前の由来や育種の経緯などを調べています。
宿根草や葉色が美しい草花や灌木などをアレンジしたバラ咲く庭を愛でるのも長年の夢です。

オータム・ダマスク(Autumn Damask/Quatre Saison)- damask

オータムダマスク(Autumn Damask)

オータム・ダマスク(Autumn Damask/Quatre Saison)- damask

どんなバラ?

7cmから9cm径、30弁前後の、丸弁咲きの花形となります。
花色は鮮やかなピンク、サーモンが加わった暖かみのある色合いとなることも。
鮮烈なダマスクの香り。
大きな、明るい色合いのつや消し葉。高さ150cmから250cmに達し、横張りも高さと同程度に育つ強健種です。自然樹形を生かし、花壇植えなどにするのが最も適した仕立てかと思いますが、横張り性を生かし、低めのフェンスなどへ誘引するのもよいと思います。

育種者、育種年など

名前の通り、秋にも咲くバラ、返り咲きする数少ないバラとして知られていました。由来は非常に古く、紀元前、ローマ帝国が隆盛を誇った時期にはローマ市民によって香水代わりに利用されたと信じられています。

文献上に現れるのは1571年にフランドルのマティアス・ド・ロベル(Matthias de L’Obel)とフランスのピエール・ペナ( Pierre Pena)の二人が協同出筆した大著『植物誌(Stirpium adversaria nova)』での記述だと思われます。記述は”オータム・ダマスク”と特定できるものではありませんが、返り咲きするバラについての解説で、オータム・ダマスクに言及したのであろうと解釈されています。以下はラテン語からの翻訳(Google)です。

サティヴァエ・ロサエ(Sativae ROSAE)、プロバンスの赤( Rubra Provins)、 白(Candida)、Pallida(淡い色)

世界の喜びであり、花の君主であり、誉れある薔薇よ。イギリスの最も繁栄している笏にとって、その上なく幸先が良く、真にふさわしい象徴である。この低木は、真冬でも青々と茂り、時にはほぼ常緑であり、驚くほど実り豊かで、しばしば二度咲き、時には三度咲きする。色による一般的な違いは3つある。濃い紫色の赤のもの、雪のような外見のもの、あるいは白と赤が混ざり合い、炎のように輝き、乙女の頬やリンゴと同じ色で、庶民が「パッリダ(淡い色のバラ)」と呼ぶもの。これら3つが、庭で栽培される顕著な違いである。これらは、色、香り、味、大きさ、花弁の数、そして力をほぼ600もの誘惑によって変化させることができ、早咲き、遅咲き、冬咲きになることもよくあるが、これについては今回の記述の範囲外である。

Stirpium adversaria nova、1571


ロサ・ダマスカナ・ビフェラ(R. damascena bifera;”2回咲きダマスク”)とも、また、フランスではカトル・セゾン(Quatre Saison;”四季咲きバラ”)、英語圏でもフォーシーズンズ(Four Seasons)と呼ばれることもあります。

オータムダマスクは、その返り咲き性が重要視され、新しいクラスの元品種となりました。
異説もありますが、ガリカとの交配により、返り咲きする性質を有するポートランド・クラスを生み出し、チャイナローズとの交配によりブルボン・クラスを生み出しと言われています。

返り咲きする性質につての考察

起源についての旧来の説

サマー・ダマスクはガリカ(R. gallica)と中東に自生する原種、ローザ・フォエニキア(R. phoenicia)との交配から生じ、オータム・ダマスクはガリカと返り咲きの性質がある原種、ムスク・ローズ(R. moschata)との交配により生じたのではないかというのが、長く定説となっていました。

起源についての2000年公表の説

2000年に日本の岩田光氏(湧永製薬)、加藤恒雄氏(広島県立大学)および大野乾氏(Beckman Research Institute of the City of Hope, USA)の3氏により発表された『ダマスクローズの3つの起源 (Triparental origin of Damask roses)』という論文の中で、DNA検査の結果、ガリカ、ムスクローズとともに、ロサ・フェデツケンコアーナがダマスクの誕生に深く関わっていたということが報告されました。これは、最新の科学手法を用いた検証であり、大きな話題を呼びました。

起源についての2016年公表の説

しかし、以上の見解にも疑問が提示されています。ダレル・シュラム(Darrell g.h. Schramm)さんが、2016年にヘリテージ・ローズ・グループの年報『Rose Letter』2016年5月号に公表した以下の記事です。非常に説得力のあるものです。

…最近、2000年に発表されたDNA検査の結果に疑問が投げかけられている。トルコ系スイス人で東洋学教授、そしてバラ栽培家でもあるベチェット・チラーガン氏は、2014年の世界バラ協会(WFRS)会議において、この研究の徹底性に疑問を呈した。彼は、R. moschataとR. gallicaの交配がR. fedtschenkoanaとどこで行われたのか、最初の2つのバラはどちらも中央アジア原産ではないのに、と問いかけた。
さらに、R. webbianaとR. beggerianaもフェドスケンコアーナの生育地域に広く分布しており、Rosa fedtschenkoanaは二度咲きする可能性があると主張した。実際、一部の植物学者によれば、R. webbianaはフフェドスケンコアーナとほぼ同一種である。なぜこれらのバラは分析されなかったのか、と彼は疑問を呈した。

ベルギーのバラの植物学者で育種家のイヴァン・ルエットは、R. abyssinica は暫定的な R. moschata よりも R. damascena に特性がはるかに近いと提唱している。R. phoenicia や、八重咲きのピンク色の R. pissardii(別名「ナスタラナ」、ペルシャムスクローズ)についても同様である。岩田氏の研究では 3 種のフェニシア種のバラが使用されたが、他の類似種は使用されなかった。

ダマスクローズ:知られざる物語(Damask Roses : An Untold Story)

この2016年に公表された新説がもっとも信頼がおけるものだと感じています。

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