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バラ、特にオールドローズ、ランブラーが好きです。
品種名の由来や込められた思い、あるいは背景となった物語、
また、育種者が生きた時代などへの想像をふくらませる作業などを続けています。
バラと宿根草や、葉色が美しいリーフプランツや灌木などを配置したコテージガーデンの作庭も夢見ています。

マダム・ゾートマン(Mme. Zöetmans)

マダム・ゾートマン(Mme. Zoetmans)

9㎝から11㎝径、カップ形、ロゼッタ咲きとなりますが、花弁が内側にカールするため全体としては丸みのある花形となります。しばしば花芯に緑芽が生じます。
開花時にはわずかにピンクが入ることが多いのですが、しだいに色が薄れ、クリーミィ・ホワイトとなる花色。
明るい色合のつや消し葉。90cmから120cm高さの、立ち性のシュラブとなります。

マダム・アルディと似ている点、違う点

名花マダム・アルディと競うと言われるほどの美しい白花ですが、小さな点で違いがあります。

  • マダム・アルディより緑芽の形成は少ない
    マダム・アルディはマダム・ゾートマンの美しさに嫉妬して、”緑の目(芽)”ができるのだと気取った記述も見受けます。目くじら立てるつもりはありませんが、育種・公表年はマダム・アルディのほうが早いので、”嫉妬”ゆえの”緑芽”ではありません。
  • マダム・アルディは純白、ゾートマンはわずかに濁ってクリームになる
  • 細めながら高性となる樹形のマダム・アルディに対し、マダム・ゾートマンは小さな樹形

グラハム・トーマスはマダム・アルディとの酷似をみとめながらも、いくつかの疑問を呈しています。

‘マダム・ゾートマン’. フランスのモロー(Moreau)作出、1836年
花はずっと淡い色合いだが、ガリカのデュセス・ド・モントベロ(Duchesse de Montebello)によく似ている。花はすみやかに退色してゆき、花芯に淡いピンクが残るだけでほとんど白になり、ボタン芽のある多弁の花となる。
葉色は明るい緑となり、これは灰緑の葉色となるデュセス・ド・モントベロとは対照的だ。
早咲き。しなやかで乱れがちな4フィート(120㎝)ほどとなる。
(The Graham Stuart Thomas Rose Book、1994)

育種者はだれ?

 この品種はMme. Söetmansとつづられることもあります。フランス語では読みは同じ”ゾートマン”になるかと思います。

グラハム・トーマスは引用した記事のとおり、育種者をモローとしていますが、ベルギーのR.S. ゾートマン( R. S. Soetemans)が1840年ころ育種・公表したとも、あるいはフランスのマレ(Marest)が1830年に育種・公表したとされています。マレー、1830年説が一般的です。
交配親は不明です。

マレが運営する園芸店はルクサンブール公園にほど近い場所にあったようです。園芸店を運営かたがたバラの育種も行っていたのかもしれません。このマダム・ゾートマンのほか、あまり流通はしていませんが、ピンクのHPコンテス・セシル・ド・シャブリラン(Comtesse Cécile de Chabrillant)、ピンク・アプリコットのティーローズ、スヴェニール・デリーズ・ヴァルドン(Souvenir d’Elise Vardon)などを育種したことでも知られています。

マダム・ゾートマンはダマスクにクラス分けされていますが、グラハム・トーマスの他、多くの研究者が葉や樹形の様子からガリカとの類似を指摘しています。確かに、樹形はガリカそのものです。数少ない白花のガリカなのかもしれません。あるいは、ダマスクのマダム・アルディとガリカとの交配により生み出されたのかもしれません。
命名の由来はつまびらかではありませんが、育種者がR.S. ゾートマン( R. S. Soetemans)であるなら、夫人にちなんで命名されたのだろうと思います。

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