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バラ、特にオールドローズ、ランブラーが好きです。
バラの体系的な整理を行いながら、品種名の由来や込められた思い、あるいは背景となった物語、また、育種者が生きた時代の背景などへの想像をふくらませる作業などを積み重ねています。
バラと宿根草や、葉色が美しいリーフプランツや灌木などを配置したバラ咲くコテージガーデンの作庭も長年の夢です。
毎年、晩秋には、来る春の植栽をどうするか、新しいバラや宿根草を迎えたり、アレンジを見直すなど心弾む毎日です。

ここでまとめた記事が少しでも園芸愛好家のお役に立つことがあれば、管理者の一番の喜びです。

ラ・フランス(La France)~HT、最初のモダンローズ

ラ・フランス(La France)

ラ・フランス(La France)~HT、最初のモダンローズ

どんなバラ?

11cmから13cm径、咲き始めはつぼ形、 熟成すると次第に花弁が折り返り、乱れがちな剣弁咲きとなります。
花色はミディアム・ピンク。花弁裏は柔らかなサーモンピンク気味となり、花弁の表、裏にグラデーションのような微妙な色変化が見られます。
花数は多くはありませんがシーズンを通して返り咲きます。
ダマスク系の強い香り。(強香)
卵形の大きな半照り葉、野趣あふれる固めで直立性の枝ぶり、120cmから180cm高さのブッシュとなります。

育種者、育種名などの由来

フランスのジャン・B・ギヨ・フィス(Jean Baptiste Guillot Fils)により育種され、1867年に開催されたパリ世界博の会場でお披露目されました。’ラ・フランス’という国名をそのまま品種名にしたギヨ・フィスの意気込みと自信が強く感じられる命名です。

固めの枝ぶり、直立性の樹形、頻繁に返り咲きする性質に加え、耐寒性にすぐれているという強健さが高く評価され、一世を風靡しました。
公表当初は、HP(Hybrid Perpetual;ハイブリッド・パーペチュアル)の一品種とされていましたが、この品種の画期的な性質を受け継ぐ新品種がつぎつぎに公表されるようになったことから、後日、HPとは一線を画す新しいクラス、HT(Hybrid Tea;ハイブリッド・ティー)の最初の品種として認定されることとなりました。
この’ラ・フランス’の正式の公表年1867年をもって、この年以前にすでに存在していたバラのクラスを「オールドローズ」、この年以降に認められたクラスを「モダンローズ」と呼ぶことになりました。バラの育種史上における画期的な出来事となりました。

育種にあたっては、特定の品種を交配親と定めて意図的に行ったものではなかったようです。そのため、交配親の詳細はわかっていません。
育種したギヨ・フィス自身は、淡いイエローやピンクになるティー・ローズマダム・ファルコ(Mme. Falcot)の実生から生じたと解説していますが、マダム・ファルコとラ・フランスとの違いがあまりにも大きいため、育種家でバラ育種の研究家でもあるピーター・ハークネス(Peter Harkness)は育成者自身の解説を尊重しながらも、

種親:ディープピンクのHPヴィクトール・ヴェルディエ(Victor Verdier)
花粉:クリーム色のティーローズ、マダム・ブラヴィ(Mme. Bravy)

なのではないかとの見解を述べています。(Peter Harkness, “The Illustrated Encyclopedia of Roses”)

‘ヴィクトール・ヴェルディエ(Victor Verdier)’
‘マダム・ブラヴィ(Mme. Bravy)’

また、もともとバラに「オールド」と「モダン」という区別に言及していなかった(嫌いだった?)グラハム・S・トーマスは、

「ティー・ローズの影響が強い、HPだ…」と自身の見解を述べています。

日本へもかなり早い時期に紹介され、’天地開(てんちかい)’という和名で流通していました。

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