春、クロッカスを追いかけるように開花し、春のはじまりを演出してくれるハナニラは、植えっぱなしで毎年開花をくりかえす庭つくりにとても役に立つ耐寒性球根です。
ハナニラは千葉北西部の場合、3月中旬から4月初旬に開花しますが、
早咲き球根のスノードロップ(Galanthus nivalis/ガランツス・ニヴァリス:ヒガンバナ科ガランザス属)
クロッカス(Crocus:アヤメ科クロッカス属)
ミニアイリス(Iris reticulata/イリス・レティクラータ:アヤメ科アヤメ属)
などはハナニラよりも少し早く開花します。これらの早咲き球根をハナニラと同じ場所に混栽しておくと、ハナニラの緑葉を分けて、クロッカスなどの花だけが顔を出すという演出をすることができます。
春を告げる花も楽しみですが、そればかりではなく、冬に入ると葉を地表にひろげて越冬するので冬枯れをみどりで飾るグランドカバーとしても利用できます。
ハナニラ/イフェイオン・ウニフロルム(Ipheion uniflorum)
- 学名:ヒガンバナ科ネギ亜科ハナニラ属(Ipheion uniflorum)
- 別名:イフェイオン(学名のカタカナ表示)、英名スプリング・スターフラワー(Spring starflower)など
- 花色:青紫、ピンク、白 (黄花種は近縁種)
- 花期:3月~4月上旬(多くは3月中旬)
- 原産地:南アメリカ
- 草丈x株幅:5~10cm丈x15~20cm幅
ハナニラ/イフェイオン・ウニフロルム(Ipheion uniflorum)という学名の由来
イフェイオンはギリシャ語の”頑丈な”という意味で、その強健さからつけられたという解説もありますが、「よくわかっていない」という別の説もあります。よく、わかっていないとするのが無難な解釈かと思います。
ユニフロルムはラテン語の”単輪花”を意味します。花茎に一輪のみ花をつける性質からの命名です。
なお、和名のハナニラは野菜のニラ(韮)に似た匂いがすることからくる通称です。
園芸種の交配に利用されている原種と園芸種
ハナニラは野菜のニラ(Allium tuberosum)の近縁種です。25種におよぶ原種が知られています。
市場に出回っているのは、星型、藤色気味のライトブルーの花を咲かせるウニフロルム属の原種そのものか、ウニフロルムを元にした園芸種がほとんどです。花色がピンクあるいは白に変化した園芸種もあります。その他、少し早めに開花することが多い近縁種のキバナハナニラ(Nothoscordum sellowianum)も近年、入手可能となりました。

ハナニラ(Ipheion uniflorum)
原産地は南アメリカ、明治時代に日本にもたらされました。
日本の気候によくマッチし、植えっぱなしでもよく生育します。
開花時期:早春(一般的には3月中旬から4月初旬)
草丈/株幅: 8~10cm/20~30cm

ピンクハナニラ(Ipheion uniflorum ‘Charlotte Bishop’)
ピンクハナニラは原種ハナニラを交配親として育種されたものです。’シャーロット・ビショップ’などの園芸種が流通しています。
開花時期:早春(一般的には3月中旬から4月初旬)
草丈/株幅: 8~10cm/20~30cm

白花ハナニラ(Ipheion uniflorum ‘Alberto_Castillo’)
白花ハナニラも原種ハナニラを交配親として育種されたものです。’アルベルト・カスティロ’などが流通しています。
開花時期:早春(一般的には3月中旬から4月初旬)
草丈/株幅: 8~10cm/20~30cm

キバナハナニラ( Nothoscordum sellowianum)
キバナハナニラは一般的な原種ユニフロルムではなく、近縁種のノトスコルドゥム・セロウィアナム(Nothoscordum sellowianum)のことです。
原産地は南アメリカでユニフロルムと同様ですが、少し早咲きです。
開花時期:早春(一般的には3月初旬から3月下旬)
草丈/株幅: 8~10cm/20~30cm
有毒の”ハナニラ”と無毒の野菜”花ニラ”
注意していただきたいことがあります。ハナニラは有毒ですので食用にはなりません。

野菜として広く流通しているニラ(Allium tuberosum)の中にはつぼみを含めて食用にする“花ニラ”(‘テンダ―ポール’、’ニラむすめ‘等)があり、収穫を控えていると秋に花冠状の白花を咲かせます。毒性の“ハナニラ”と“食用花ニラ”は違います。お間違えないようくれぐれもご注意ください。


