Photo/Rudolf [CC BY SA-4.0 via RoseBiblio]
エステル(Esther)- gallica
どんなバラ?
7cmから9cm径、26から40弁ほどのカップ型となる花形。全体としてはミディアム・ピンクの花色、濃色のピンクが大きな班模様となって花弁をおおいます。そのためピンクの濃淡が出る2色咲きのような印象を受けます。
中程度の香り。
卵形のつや消し葉。ほとんどトゲのない枝ぶり、120cmから180cm高さのシュラブとなりまります。
育種者、育種年など
ジャン=ピエール・ヴィベールが1845年に公刊した著作『薔薇および葡萄の栽培法(Culture exclusive du rosier et des vignes)』に記載されているのが文献上での初見のようです。そこでは、「中輪、八重咲き、ピンク色、ワインレッドの斑入り」と簡単に記述しています。
ジョワイヨ教授は著書『ラ・ローズ・ド・フランス(La Rose de France)」1988で、以下のように解説しています。
エステル
ヴィベール、1845年
樹形:直立性の低木(高さ1.20m~1.50m)。まれに棘や剛毛が生える。葉:中程度の緑色。小葉は丸みを帯びる。花:豊富に咲き、3~9個の房状に咲く。小花、八重咲き、四重咲き。中央に小さなボタン状の目がある。花弁はやや反り返る。花色:ピンクがかった深紅色で、周囲はやや淡い。香り:中程度。
…
ヴィベールは実際、最初のガリカに’エステル’と名付けている。1819年のカタログ(No.599)以降に掲載されている。この(最初の)’エステル’は消失したか、放棄されたのだと思われる。
‘エステル’には’オルデンブール公爵夫人’という別名があります。その後、ヴィベールは、彼の悪い癖により、1845年の新品種、現在の「エステル」にこの名前を再び使用しました。1845年のカタログでは、「中輪、八重咲き、ピンク色、ワインレッドの斑入り」と記述している。
命名の由来など

エステルは『旧約聖書エステル記』に登場するペルシャ王妃です。
父を亡くし叔父モデルカイの養女として育ったエステルは王クセルクセス1世に見染められ王妃となりました。
王の大臣であるハマンはモデルカイに自らを拝礼するよう求めましたがハマンはそれを拒絶。
これらの軋轢からハマンはモデルカイがユダヤ人であることを知ります。
恨みに燃えるハマンはユダヤ人を根絶やしにする計略を立て、王の許諾も得ましたが、王妃エステルが策を講じて、ユダヤ人の虐殺は阻止され、ハマンはモデルカイを処刑するために用意した柱で自らが処刑されてしまいます。
(Wikipedia 「エステル記」など)


