ダゲッソー(D’Aguesseau)- gallica
どんなバラ?
7cmから9cm径、花芯に花弁が密集する丸弁咲きとなる花形。
一季咲きのオールド・ローズのなかでは類稀れなミディアム・レッドの花色となります。
軽く香ります。
楕円形の、縁のノコ目が顕著な明るい色調のつや消し葉、細いけれど固めの枝ぶり、120cmから180cm高さの、ガリカとしては例外的な、比較的大きめのシュラブとなります。
育種者、育種年など
1836年、J.P. ヴィベールにより公表されたので、彼の育種とされることが多いのですが、下記のルイ・パルメンティエの圃場に保管されていた品種リストに記載されていることから、パルメンティエ圃場からヴィベールの手に渡ったのではないかと推察されます。(Francois Joyaux, “La Rose de France”)。
1847年に発行された『故ルイ・パルマンティエ氏が収集した貴重なバラコレクションのカタログ(Catalogue de la riche Collection de Rosiers, formée par feu M. Louis Parmentier)』にリストアップされているので、実際の育種者はパルメンティエであることが明らかです
命名の由来など

アンリ・フランソワ・ダゲッソー(Henri François d’Aguesseau:1668- 1751)にちなんで命名されというのが、通説です。(ヴィベールの孫にあたる、マルキス・ダゲッソー(Marquis d’Aguesseau)に捧げられたという説もあります。 Stirling Macoboy, “The Ultimate Rose Book”)
アンリ・フランソワは、代々フランス宮廷の法務官をしているダゲッソー家に生まれ、ルイ14世、ルイ15世など、重商主義により王家が巨万の富を得て繁栄していた時代に、ときに失脚して隠遁していた時期もあるものの、長きにわたって博識な法務官として、フランス法曹界に名を残した人物です。
ナポレオン・ボナパルトの許で戦闘にも参戦し、熱烈な信奉者であったヴィベールがこの品種を王家の法務官、ダゲッソーに捧げたことには少々不可解な印象をいだきます。そうした意味ではマッコイが述べている孫の名をとったという説に説得力があるようにも思います。
アンリ・フランソワは、政争に敗れて、生まれ故郷で館が所在していたリモージュに隠棲している時代、文献の研究などに明け暮れた時期、ガーデニングにも精出していたことが知られていますので、ヴィベールは、アンリ・フランソワのこうした”園芸”への貢献に敬意を表したのかもしれません。
敬愛する園芸家グラハム・スチュアート・トーマス(Graham Stuart Thomas)の解説が素敵なので以下例に引きます。
”ダゲッソー”、フランスのヴィベールによる。1832年。
ガリカの中で私がこれまでに出会った中で最も鮮やかな赤色。樹高1.2~1.5メートルほどに成長する生育旺盛な品種で、典型的なガリカ種の大きな葉を持つ。花は非常にふっくらとしており、すぐに平らな四つに分かれた花弁に開き、時にはボタンのような目を持つ。外側の花弁は反り返り、鮮やかなチェリーピンク色に変化し、中心部は濃いチェリーレッド色を呈する。「ダゲソー」。フランス、ヴィベール、1832年。ガリカ種の中で私がこれまでに出会った中で最も鮮やかな赤色。樹高1.2~1.5メートルほどに成長する生育旺盛な品種で、典型的なガリカ種の大きな葉を持つ。花は非常にふっくらとしており、すぐに平らな四つに分かれた花弁に開き、時にはボタンのような目を持つ。外側の花弁は反り返り、鮮やかなチェリーピンク色に変化し、中心部は濃いチェリーレッド色を呈する。(ベスト写真:ポール、図版3。やや色褪せた肖像画。)
The Graham Stuart Rose Book:1994


