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バラ、特にオールドローズ、ランブラーが好きです。
品種名の由来や込められた思い、あるいは背景となった物語、
また、育種者が生きた時代などへの想像をふくらませる作業などを続けています。
バラと宿根草や、葉色が美しいリーフプランツや灌木などを配置したコテージガーデンの作庭も夢見ています。

デュセス・ダングレーム (Duchesse d’Angouleme)- gallica/centifolia

Duchesse d'Angouleme

デュセス・ダングレーム (Duchesse d’Angouleme)- gallica/centifolia

どんなバラ?

9cmから11cm径、うすくデリケートな花弁を無理やり詰め込んだようなカップ型、ロゼッタ咲きとなる花形です。
ライト・ピンクの花色、透けてみえるほどですので、ザ・ワックス・ローズ(the Wax Rose)という呼び方をされることもあります。
強い香り。
ガリカにクラス分けされたり、ケンティフォリアとされることもある、アガータ・インカルナータ(Agathe Incarnata;”肌色のアガータ”)は、このデュセス・ダングレームと同じ品種だ(グラハム・トーマス)とも、違うものだという説(ディカーソン、ジョワイオ)があって結論が出ていないようです。

育種者、育種年など

Photo/Salicyna [CC BY SA-4.0 via Wikimedia Commons]

1809年から1849年まで2,3年おきに刊行されていた園芸誌『Le Bon Jardier(”素敵な園芸家”)』の1826年版に紹介されていたのがこの品種の紹介の初出のようです。
フランスのジョワイヨ教授は文献を調べたうえでしょう、ジャン=ピエール・ヴィベールが育種・公表したのは1821年としています。
花色などはガリカのものではありませんが、細いけれど固めの枝ぶり、剛毛のようなトゲが茎の表面を覆うなど葉や樹形にはガリカの特徴が顕著です。淡いピンクに花開くガリカのひとつとしていいのではないかと思います。

デュセス・ダングレームの繊細な花弁の美しさは格別です。時が進むと、花弁は空気のなかに溶けていってしますのではないかと感じるほどです。
この品種の開花の最盛期に出会ったときには、オールドローズを鑑賞するよろこびを満喫できると思います。

デュセス・ダングレーム~品種名の由来

Duchesse d'Angouleme
” Marie Thérèse of France” Painting/Antoine-Jean Gros [Public Domain via Wikimedia Commons]

デュセス・ダングレーム(Marie Thérèse Charlotte、Duchesse d’Angouleme:1778-1851)は、フランス革命の際、刑死したルイ16世とマリー・アントワネットに授かった、第一子、マリー・テレーズのことです。

フランス革命勃発後、ティレリー宮に幽閉されていたルイ16世一家は、1791年、オーストリアへの亡命を試みます。国境近くのヴェレンヌまで至ったところで捉えられ、ティレリー宮へ戻されました。(ヴェレンヌ事件)

このとき12歳であったマリー・テレーズは父母と行動をともにしており、パリへ戻された後は父母とともに、初めはティレリュー宮へ、後にタンブル塔へ幽閉されていましたが、両親の刑死の2年後国外追放となりました。

一家はそれぞれ独房へ監禁されていたため、追放の時点まで両親、叔母の刑死も、弟ルイ17世の病死の事実を知りませんでした。

1799年従兄弟であるルイ・アントワーヌ(アングレーム公爵:Louis Antoine, duc d’Angoulême)と結婚しました。義父となった叔父アルトワ伯爵(Comte d’Artois)はルイ16世の弟です。

アルトワ伯は、ナポレオンが失脚した1814年に帰国し、王政復古後、シャルル10世として王位につくことになります。

マリー・テレーズは夫とともに義父アルトワ伯と行動をともにし、帰国した後は、ボナパルティストと呼ばれたナポレオン支持者達へのテロを扇動するという過激な行動に出ることとなります。

両親をギロチンに架し多感な十代を独房で過ごさざるを得なかったことへの恨みからの行動と思われます。

1830年、七月革命により王制が廃止されると再び亡命生活を送ることになり、以後は帰国することなく生涯を終えることになりました。

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