シシングハースト・キャッスル/ロズ・ド・ムール(Sissinghurst Castle/Rose de Maures)- gallica
どんなバラ?
7cmから9cm径、薄い紙をくしゃくしゃと丸めたような、30弁前後の丸弁咲きの花形となります。
花色はクリムゾン、熟成すると次第にカーマイン/バーガンディの色合いが濃くなります。
軽く香ります。
表面にくすみのある、わずかに蒼みを帯びたようなつや消し葉。小さなトゲが密生する細く固い枝ぶり、90cmから120cm高さの小さめのシュラブとなります。
育種者、育種年など
この品種は、1947年、サッカヴィル=ウェストが購入したシシングハースト城で発見し、それにちなんで命名されたものです。数百年を経た古い株ではないかと思われていましたが、フランスのジョワイヨ教授(Francois Joyaux)等は、オランダからフランスへもたらされた古い品種(ガリカ)であるロズ・デ・ムール(Rose des Maures;”ムール~北アフリカ~のバラ”)ではないかと述べ、現在、受け入れられつつある説となっています。(La Rose de France、1998)
品種名の由来など

ヴィタ・サックヴィル=ウェスト(Vita Sackville=West:1892 – 1962)は英国ケントの男爵家作家サックヴィル家に生まれました。
長じて詩人、小説家として名声をかち得ましたが、オープン・マリッジ(婚姻関係を保ちつつ、他の人物との性的な関係を続ける)に傾倒し、やはり著名な作家であったバージニア・ウルフとの同性愛にも走るなどスキャンダラスな人生を送りました。
当時先進的な芸術活動グループとして知られていたブルームズベリー・グループ(Bloomsbury Group)にも深く関わるなど、今日のフェミニズムに連なる、左翼自由主義者として知られています。
1930年、息子とともにイングランド南東部ケント州にあるシシングハースト城を訪れたヴィタは、当時荒廃していた城の魅力の虜となってしまい、ただちに城と周囲の広大な農地を購入し、夫ハロルド・ニコルソン(Harold Nicolson:1886 – 1968)の協力も得て庭つくりに取り組むこととなりました。
この庭園は1938年に一般に公開するようになりました。これが英国で最も名高い庭園のひとつであるシシングハースト・キャスル・ガーデンです。
中央部、一段と高いレンガ積みのタワーがそびえ、その周囲にそれぞれテーマをもった庭造りがされていますが、とりわけ、白い花のみを植栽したホワイト・ガーデンが広く知られています。1962年、ヴィタが死去したのち、1967年からは、英国ナショナル・トラストの管理下となって、一般公開されています。




