Photo/Salicyna [CC BY SA-4.0 via Wikimedia]
レーヌ・ド・ペルス(Reine de Perse)- gallica
どんなバラ?
3㎝から7cm径、ボリューム感のある40弁を超える、カップ型・ロゼッタ咲きとなります。花芯にグリーンアイができることが多い息を呑むほどに美しい花形です。
花色ははじめはミディアム・ピンク、外弁は淡く色抜けし、熟成すると、ときに全体が淡いピンクからほとんど白となることもあるようです。
軽く香ります。
縁のノコ目が強くでる、深緑のつや消し葉、しっかりとした厚みが感じられます。小突起の多い、細いけれども固めの枝ぶり、90cmから120cm高さの小型のシュラブとなります。
育種者、育種年など
1826年発行のノワゼットによる植物カタログ『樹木、低木、植物の総合カタログ(Catalogue général des Arbres, Arbustes et Plantes)』にリストアップされているのが文献上の初見です。育種者は不明、育種年も1825年以前、どれだけ遡れるのかわかりません。
ミディアム・ピンクからどんどん色抜けして最後にはほとんど白花となる品種がアルバではなく、ガリカであるとされていますが、その点に疑問を持った研究者はあまり見当たりません。わずかに、ドイツ、ザンガーハウゼンのバラを長年にわたって観察・記録したオーグスト. イェーガー(August Jäger)は観察ノート『バラ図鑑(Rosenlexikon)』のなかで、「ガリカ??」と率直な疑問を残しています。
品種名の由来など
レーヌ・ド・ペルスとは”ペルシャ王妃”という意ですが、旧約聖書の歴史物語中の『エステル記』の主人公エステル(Esther)のことだと思われます。

ユダヤ人モルデカイの養女エステルは美貌で知られ、ペルシア王クセクルス1世(紀元前5世紀に実在するペルシャ王)の王妃に選ばれました。
エステルは美貌ばかりではなく控え目で高い徳を備え、深く王に愛されるようになりました。
しかし養父モルデカイが高官ハマンの怒りを買ったことからすべてのユダヤ人を虐殺するという王命が出てしまいます。
エステルは王に謁見し高官ハマンに非があることを知らしめ、王命は取り消されます。
ユダヤ教ではユダヤ人の滅亡を防いだこの故事から毎年初春に祝祭をもよおしています。
過去数多くの絵画の題材として選ばれています。前ラファエロ派の中心的人物であったジョン・エヴァレット・ミレー(John Everett Millais:1829-1896)によるEsther(1865年制作)の美しさは格別です。


