Photo/Krzysztof Ziarnek [CC BY SA-4.0 via Wikimedia Commons]
デュク・ド・ギッシュ(Duc de Guiche)- gallica
どんなバラ?
9cmから11cm径、浅いカップ型、ロゼッタ咲き、しばしばクォター咲きとなり、花芯にグリーンアイができることもある優雅な花形。しっかりと形が整うことが多く、ため息を誘うような美しさです。
花色はカーマインまたはクリムゾンにヴァイオレットが加わった深い色合いとなることが多いのですが、強い日照下にあると、色褪せし明るいモーヴ(藤色)となることもあります。
強い香り。
よく整った楕円形、大きめの深い色調のつや消し葉。剛毛のような小さなトゲが密生する、いかにもガリカらしい細いけれど固めの枝ぶり、120cmから180cm高さのシュラブとなります。
育種者、育種年など
プレヴォ*の残した文献などから、1810年以前に遡ることができるとされていますが、育成者などは不明です。
*ニコラ=ジョゼフ・プレヴォ( Nicolas-Joseph Prevost fils:1787 – 1855)植物学の教授、園芸家、作家、バラの育種家。
1810年以前に遡れるかもしれないというジョワイヨ教授の説(『La Rose de France』)と、いやいやこんなに完成された大輪種がそんなに古い時代から存在していたわけはない、というグラハム・トーマスの説(『Graham Stuart Thomas Rose Book』)が両極端です。
特にグラハム・トーマスはこの品種の美しさを絶賛しています。乱れるかに見えて、風情を保ちながら全体としてはまとまる樹形。深い葉色、繁茂する葉の間から飾り付けたかのように花開くクリムゾンの大輪花。彼が求めて止まなかったバラの魅力は、この品種に集約されているのかもしれません。トーマスの記述を引用します。
Prévost(フランス)作出、1835年。
”The Graham Stuart Thomas Rose Book”, 1994
’マダム・アルディ’や’ベル・ド・クレシー’に匹敵する洗練された美しさと完璧な花弁の形を持つ、間違いなくそれらより新しい時代の品種だ。
鮮烈なクリムゾン・マゼンタ色で、暑い時期には紫色の脈が細かく、かつ密に入る。グリーンアイがあり、花形はしばしばクォーター咲き(4分割されたような形)になる…
セナ・ローメ(Sénat romain;”ローマの元老”)という別名で呼ばれることもあります。
品種名の由来など

第9代ガルモン公爵/ギッシェ公爵(Antoine 9th Duc de Gramont/Duc de Guiche:1789-1855)にちなんで命名されたと言われています。(『La Rose de France』)
アントワーヌ・ガルモンは今日のスペインとの国境近く、バスク地方に居城があったガルモン家に生まれました。
フランス革命勃発時とういう激動の時代に生をうけ、ロシアなど家族とともに長く亡命生活を送りました。
ロシア滞在時には幼少でありながら、軍務に着き、その後、イギリスなどにも滞在したものの、革命の時代からナポレオンが隆盛を極めるフランス政府とは、同国の王制復古の時代まで敵対を続けた人物でした。

