Photo/Pascale Hiemann [CC BY SA-3.0 via Rose-Biblio]
ブランシェフルール(Blanchefleur)- centifolia
どんなバラ?
花径は9cmから11cmほど、浅いカップ型、ロゼッタ咲きとなります。
淡いピンクに色づいていたつぼみは開くとクリーム色となったり、中心部がピンクに染まったりします。中心にみどりの目ができることが多く、オールド・ガーデン・ローズの美しさを満喫することができます。
甘い、強い香りがします。
楕円形の、明るい色合のつや消し葉。高さ120cmから180cmほどの立ち性のシュラブとなりますが、枝ぶりが細いので、花の重みで枝はアーチを描きます。
育種者、育種年など
1835年、フランスのジャン=ピエール・ヴィベール(Jean-Pierre Viber:1777-1866)により育種・公表されました。花形、葉や葉柄、茎の様子からケンティフォリアであることは明らかですが、交配の詳細はわかっていません。
“ブランシェフルール”とは「薄ピンク花」というのが文字通りの意味ですが、変な名前だなと長い間感じていました。最近になってようやく、“ブランシェフルール”はフランスの騎士物語に登場するヒロインだということを知りました。
古い伝説譚ですのでいくつか違う筋書きのものがありますが、いちばんポピュラーなのはつぎのような物語でしょう。
フロリスとブランシェフルールの物語
スペインにイスラム教国がいくつもあった時代、そのうちの一国、アルアンダスの王であるフェリックスはキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼団を襲撃しました。
この巡礼団にはフランスの騎士と娘が加わっていました。父親の騎士は闘いのなかで死に、娘はとらえられてフェリックス王妃の侍女となりました。娘は未亡人でしたが、そのとき亡き夫の子を身籠っていました。
偶然は重なるものです、その時、フェリックス王妃も妊娠しており、王妃と、王妃の侍女となっていた騎士の娘は時をおかず、ともに出産しました。王妃には息子フロリス、侍女には娘ブランシェフルールが。
ふたりの子は王宮で育ちます。
フェリックス王は仲睦まじいふたりを見て、王子フロリスが異教徒であるキリスト教の娘ブランシェフルールと結婚するのではないかと恐れます。
それを避けるため、フロリスは国外の学校へやられ、ブランシェフルールはバビロンの商人へ身売りされてしまいました。
ブランシェフルールは死んだと告げられていたフロリスでしたが、息子のあまりの落胆ぶりに後悔した父は、迷ったすえに真実を告げました。いとしい恋人が生きていることを知ったフロリスはブランシェフルールを捜す旅にでます。
物語にはつぎつぎと生ずる苦難をのりこえ、ついには愛するブランシェフルールを救いだすフロリスの活躍がつづられてゆきます。



